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息抜きにポッキーゲームなど 

若干夏バテしてるんじゃないか疑惑。こんなんで夏コミ大丈夫なんだろうか。
あ、後でちゃんと告知しますが、夏コミは今年もめがねさんとこにお邪魔させていただくことになりました。
多分、春の個人誌も置かせていただくことになると思います。

そして続きからは、ちょっと息抜きに軽く書いたもの。マリアリでポッキーゲーム。
某所でなんかポッキーゲームについて話題になったのでw
では、読んでもいいという方は続きからどぞー。


「みなさん、ポッキーゲームしましょう! ポッキーゲーム!」
早苗がそんなことを言いだしたのは、程よく酔いが回り始めた頃だった。

「ぽっきーげーむ? なんだそりゃ?」
くいっとコップの中身を飲み干して尋ねれば、どこか目の座った早苗がドン、といきなり立ち上がった。
それを呆然と見つめているのは私も含めて八つの瞳。
博麗神社の居間でいつものように、適当に集まった面子で一杯飲んでいた最中のことである。
「よくぞ聞いてくれました! ポッキーゲームとは宴会に必須な遊びのことで……」
「どうでもいいけど早苗、畳に酒こぼしたら張り替え代あんたんとこから取るからね?」
霊夢が嫌そうに言ったのも気にしてない様子で、早苗は一人で盛り上がっている。
特にそんなに飲ませたつもりもなかったんだが。ああ、でも確か早苗、酒弱いんだっけ?
どうすんだよこれ、と周りを見渡しても、霊夢は機嫌悪そうなだけだし、アリスは呑気にちびちびやってるし。
萃香に至っては、早苗の空いたコップに酒追加しやがった。ええい、事態を収拾させようって奴はいないのか。

「それで? そもそも、その『ぽっきー』ってなんだよ」
「ポッキーというのはですね、細長いお菓子なんですけど。それで勝負をするんです」
早苗が言うには、ぽっきーげーむとは、そのぽっきーとやらを二人で両端から食べていくものらしい。
先に口を離した方の負けで、睨み合いになったら最後に距離を詰めた方の勝ちになるのだという。
実に単純明快なルールなのだが、それをするには問題点が一つだけあった。
「……早苗。でもその『ぽっきー』ってお菓子はここにはないわよ?」
そのことを私より先にアリスが指摘する。興味なさそうに見えて、一応話は聞いていたんだな。
そう、その肝心のぽっきーがないのだ。そもそもぽっきーとやらを私は見たことも聞いたこともない。
多分それは他の奴らも同じで、早苗だけが知っているということは恐らく外のお菓子なのだろう。
そしてそれが幻想郷にあるかと言われればきっとないだろうし、あったとしてすぐ手に入るものではない。
「む。じゃ、じゃあその……代わりになるものを探せばいいんですよ! ほら、なんか長いものとか」
「って言われてもなぁ。細長い食べ物か」
「ちくわならあるよー」
萃香が肴の盛られた皿を指差す。確かにそこにはちくわがあった。細くはないが長かった。
確かに両端から食べられそうなものだが、さすがにこれは……
「じゃあそれで」
「いいのかよ、オイ」
ぽっきーもないのにぽっきーげーむとか、それはもうぽっきーげーむなんだろうか。
とか私が思ってる間に、早苗は紙でくじを作って準備を整えていく。
五枚の用紙の内、二枚にしるし。これを引いた人がぽっきーげーむをするようだ。

「じゃあ、みなさん引いてください」
早苗の言葉に各々が紙を引っこ抜いていく。私もテキトーに一枚を引き抜いて。
その末端に描かれていた丸印。しまった、当たっちまったか。
慌てて周りを見渡す。つまらなさそうな顔の早苗、いつもと変わらない表情の霊夢、赤ら顔の萃香。
そして用紙を珍しく少し目を丸くして凝視しているアリス。
「どうやら魔理沙さんとアリスさんみたいですね」
「げ、アリスかよ。よりによってなんでこいつと」
「それは私も言いたいわ。なんでよりによって魔理沙なのよ」
面倒そうにアリスも言う。こいつの意見に同意するのは癪だが、今回ばかりは冗談じゃない。
けどやってられるか、とむくれる私を見て、何を思いついたのか霊夢はにやーっと笑って。
「へぇー。そう、魔理沙は逃げるんだ? へーぇ」
「んなっ!?」
「そっかー、敵前逃亡するのねぇ。だってさ、アリス」
こっちを見てにやにや笑いながら、そんな風に挑発してくる霊夢。
後ろの方では萃香も便乗して煽ってくる。くそ、そこまで言われたら引けるわけないぜ。
「はっ、ふざけんなよ。私が撃たずして逃げるわけないだろう? ほら、さっさとやるぞアリス!」
「ちょ、ちょっと魔理沙! 私はやるなんて一言も……!」
「いいから。つべこべ言わずにさっさと咥えろよ」
まんまと罠にはめられたのはわかってるが、ここで逃げるわけにもいかない。
ぐにゃりとしたちくわを咥えて突き出して。真ん中に空いた穴から息がヒューヒュー漏れる。
アリスは一つ溜息を吐いてから。しぶしぶといったように反対側に噛み付いた。

「じゃあ、ポッキーゲーム一本勝負! レディー?」
早苗の合図を皮切りに、端っこからちまちまと食べていく。
だがちくわが思ったよりぐにゃぐにゃしてて食べにくい。向こう側からも食べられているんだから尚更だ。
押したり引いたりで、近づいたり離れたり。ぐねぐねするものだから、うっかり離してしまいそうで。
しかしアリスに負けるわけにはいかない。こいつより臆病者扱いなんてされてたまるか。
必死になって食らい付く。徐々に離れる方向が無くなっていって距離は縮まっていくばかり。
ちくわの中に吹き込まれた吐息が、生温かくて甘ったるい。
そして。その呼吸が肌にかかる距離まで近づいたとき、私はふとその事実に気がついた。

――これ、どっちも勝負を下りなかったらどうなるんだ。と。

いやいや、ちょっと待て。ちょっと待てよ。まずは落ち着こうじゃないか。
両側から食べてるだろ。距離近づくだろ。離したら負けなんだろ?
ってことはこれって……え、ちょっと。えぇ!?
目線だけで右を見る。霊夢と早苗がにやにやしていた。
次いで左を見る。同じく、萃香が微笑ましそうなにやけ面でこっちを見ていた。
正面を向く。アリスが亀の歩みのような遅さで、しかし確実に距離を詰めてきていた。
その目は軽く伏せられていて、視線が合うことはない。目を合わせたら動けなくなると言わんばかりに。
実際、私の動きはぴたりと止まってしまっている。石のように動けない。

「あーら、どうしたの魔理沙? 降参するの? ん?」
にやにやしながら霊夢が言ってくる。こいつ……わかってて私をハメやがったな!?
というか、この様子だともしかして気付いてなかったの私だけなんじゃないだろうか。
しかし始めたからには、もう後には引けない。アリスに負けるのは、なんかイヤだ。
動揺している心を押さえ込み、再び食べ進む。じりじりと近づいていって。
鼻先が触れ合いそうになったところで、アリスの動きがぴたりと止まった。
ぼやけそうな距離で視線が初めて噛み合って。私も動きを止める。
少し困ったような顔をしたアリス。かといって、勝負を下りる気つもりもまだないらしい。
むしろどっちかと言えば、どうしようか迷っているように見える。
これは攻める好機だ。一口わずかにちくわを囓って詰め寄って。
こうやって圧力をかければ、アリスの方が折れるだろうなと。
けれどそれが逆にアリスの火をつけてしまったんだろうか。ちょっとだけムッと眉根が寄った。
ごちん、と頭突きを喰らわされて。二口分アリスが詰めてくる。
額と額を付き合わせたままの睨み合い。残されたちくわは、あと指一本入るかどうかの幅だ。
きっとどちらかが一口食べ進んだら、唇と唇が触れ合うだろう。
どちらも動けない膠着状態。じりじりと焦がすように視線は絡み合ったまま逸らせない。
このままどのくらい睨み合いが続くのだろうと思ったその時だった。
「もう、どっちも動けませんか? なら最後に進んだアリスさんの勝ちになるんですけど」
聞こえてきた早苗の声。そっちに視線をずらすことも、もう私には出来ない。
そうか。アリスの奴、さっき二口詰めたのは私に進ませないためだったのか!
チクショウと、今気付いてももう遅い。このまま私が進まなければ、アリスの勝ちが確定してしまう。
逡巡したのは一瞬。目を閉じて、ええいままよ! と一口残ったちくわを噛み進めた。

耳に響くは周りの歓声。感じた感触は、なんか、すごく、柔らかかった。

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コメント

最高です!是非続きを…!!

ありがとうございます!
続きはご想像にお任せしますw

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